大腸がんは、わが国で男女とも増え続けています。食生活の欧米化に伴い、高脂肪高蛋白の食事が影響しているものと考えられ、近い将来、死因のトップとなると予想されています。現在、大腸がんの検診には、通常「便鮮血検査」を2回行っています。しかし、この検査では早期がんはほとんど見つからず、進行がんに至っても十分な検出はできないことが分かっています。つまり、便鮮血検査で異常がなくても、大腸がんは否定できないということです。
大腸がんの多くは、大腸腺腫という良性腫瘍(大腸ポリープの大部分)を経て、ゆっくりと大きくなってきます。したがって、大腸腺腫の段階で内視鏡的に切除してしまえば、体にも少ない負担で大腸がんは予防できます。
しかし、大腸がんとして見つかると、内視鏡的に切除できる割合は減少し、長期入院での手術、時には抗がん剤の治療という、大変大きな負担がかかることがあります。したがって、たとえ無症状であっても定期的に大腸カメラ受けていただき、大腸がん・大腸腺腫(ポリープ)を検査・治療して、大腸がんを予防することが大切だといえるでしょう。